業務用エアコンの電気代は得?
一年中24時間エアコンを使用したい場合、電気代を月3000円ほどで使える業務用がいいとききました。(20畳のLDKで使用)本当でしょうか?
業務用と家庭用の電気代比較をしてみます
業務用エアコンには単相200V電源で動作するタイプと3相200Vで動作するエアコンがあります。使用する電気によって電気代が異なりますので、分けて考えます。
単相200Vの業務用エアコン
単相200Vは電力会社から3本の線で電気が引き込まれている家庭なら、大掛かりな工事の必要も無く取り付けることが出来ます。業務用エアコンのカタログには家庭用エアコンのように年間の消費電力量の記載がありません。色々な業種で使用するため、使用時間もまちまちな為です。そこで、カタログに記載されているCOP値で比較を行います。
計算事例
ダイキンルームエアコンS50FTRP COP値4.00 期間消費電力量2066Kwhとダイキン壁掛け型業務用エアコンSZAYP50HV COP値4.15との比較を行います。(電気代は1Kwh22円で仮定します)
S50FTRPの年間電気代は
2066×22=45452円
SZAYP50HVの年間電気代推定値はCOP値の違いから
45452×(4.15/4.00)=47156円
45452×(4.00/4.15)=43809円
計算結果から、この2機種の比較では業務用エアコンの電気代の方が高く安くなり、使用時間が増えるほどその差は大きくなります。
お詫びと訂正:上記計算方法に間違いが見つかりました。お詫びの上訂正させて頂きます。
3相200Vの業務用エアコン
3相200Vの電源は一般家庭の場合引き込まれていませんので、新に電気の引き込み工事が必要となります。また、契約電力によって電気代が異なりますので、下記のように条件を限定し機種別に比較してみます。
比較条件
- 単相200Vの電気代は1Kwh22円で計算します。
- 3相200Vの電気代は1Kwh10円、基本料金は1Kw当り1070円で計算します。
- 電力契約は4.OKwタイプが1kw契約、5.0Kwから8.0Kwタイプが2kwの契約と仮定します。
比較を行う機種
電気代の比較を行うルームエアコンは下記の機種と同一の年間使用電力の業務用エアコンを想定して比較を行います。
- ダイキンS40ETSPの期間消費電力量 1516kwh 年間電気代33352円
- ダイキンS50ETSPの期間消費電力量 2071kwh 年間電気代45562円
- 東芝RAS-716EDRの期間消費電力量 3513Kwh 年間電気代77286円
ダイキンS40ETSPと同じ期間消費電力量の業務用エアコン電気代
1Kw契約基本料金1070×12ヶ月=12,840円
使用電力量1516Kwh×10円=15160円
年間電気代12840+15160=28,000円
4.0Kwタイプのエアコンの場合年間の電気代は業務用の方が5,352円安くなる。
ダイキンS50ETSPと同じ期間消費電力量の業務用エアコン電気代
2Kw契約基本料金2140×12ヶ月=25,680円
使用電力量2071Kwh×10円=20710円
年間電気代25680+20710=46,390円
5.0Kwタイプのエアコンの場合年間の電気代は業務用の方が828円高くなる。
東芝RAS-716EDRと同じ期間消費電力量の業務用エアコン電気代
2Kw契約基本料金2140×12ヶ月=25,680円
使用電力量3513Kwh×10円=35130円
年間電気代25680+35130=60,810円
7.1Kwタイプのエアコンの場合年間の電気代は業務用の方が16,476円安くなる。
以上の様にエアコンの容量によって異なる結果となりました。上記は(社)日本冷凍空調工業会の規格(JRA4046:ルームエアコンディショナの期間消費電力量算出基準)を基に比較しました。実際は電気の使用量が算出基準より多いほど3相200Vエアコンの方が電気代が安くまります。反面、エアコンを使用しなくても基本料金は掛かって来ますのでご注意下さい。
3相200Vの電気は一般家庭に引き込まれていません。その為、電気の引き込み工事、電力メーターの新設など5万から10万程度の工事費用が別途必要になります。上記計算事例では電気工事の原価償却費は考慮していませんのでご注意下さい
業務用エアコンとの比較まとめ
換気や再熱除湿などの機能は業務用エアコンには付いていません。機能を重視するなら家庭用ルームエアコンです。
ルームエアコンのメーカー保証は1年、冷媒系統は5年ですが業務用エアコンの場合冷媒系統を含めてメーカー保証は1年です。業務用エアコンは故障時の修理費用も家庭用に比べて割高です。
単相200Vなら、電気代は大きく変わりません。3相200Vでも初期の電気工事費用や取得価格差の減価償却費を考えると相当使用時間が長く無い限り割高になります。将来に渡って長時間使用するのだろうかと言う点まで考えると一般家庭にはルームエアコンがお勧めです。
業務用エアコンは風量が強く、大きな能力のタイプまで揃っています。ルームエアコンでは対応できない広い部屋や一般家庭よりも多くの人が集まる、高い吹き抜けがあるなど状況に応じてお選び下さい。
(社)日本冷凍空調工業会の規格
各エアコンメーカーが発表している年間電気代は(社)日本冷凍空調工業会の規格(JRA4046:ルームエアコンディショナの期間消費電力量算出基準)に基づき、以下の条件のもとに運転した時の試算値です。
- 外気温度:東京をモデルとしています
- 設定室内温度:暖房時20℃、冷房時27℃
- 使用期間:暖房期間は10月28日から4月14日の5.5ヵ月間、冷房期間は6月2日から9月21日の3.6ヵ月間
- 使用時間:6:00〜24:00の18時間
- 住宅:JIS C 9612による平均的な住宅(木造、南向き、洋室)
- 部屋の広さ:機種に見合った広さの部屋
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