エアコン工事の注意点
取付工事にもこだわりを
エアコンの工事と言うと、どこでも同じような工事だと思っていませんか?取り付け工事によってエアコンの寿命や配管部材などの耐久性を左右するので、工事にも注意が必要です。
配管パイプの違い
エアコンパイプです。右上が安いパイプです。断熱材が発泡ポリエチレンの1層式ですので外側に巻いている
テープがはがれるとすぐにボロボロになってしまいます。左上側のパイプは表面がデコボコのエンボス加工し
てあり右の断熱材に比べると強い断熱材です。
次に中の銅管パイプです。安いパイプは銅管の肉厚が均一ではなく、
パイプを加工した時に銅管のラッパ部分(フレア加工と呼びます)にデコボコが出来るがあります。
また、肉厚自体が薄いパイプもありましたが、新冷媒(R410A)でパイプの基準が厳しくなってからはあまり
使われていないようです。
ドレンホースの違い
次はドレンホースです。上の安いドレンホースは直射日光が当たると2〜3年でボロボロになり切れてしまいます
。写真の事例は手で触るとポロポロと崩れて行きました。
上のドレンホースは従来のドレンホースに黒い内側の層との二重構造になっていて
従来のドレンホースに比べると2倍以上長持ちします。
上は塩ビパイプです。直射日光が当っても10年は持ちますので、左上の様にドレンパイプだけが下に出る場合は
この排水パイプをお勧めします。
ドレンホースが途中で切れると変なところで水漏れして、洗濯物にかったり場合によっては建物の内部に
水が浸入してきたりする事もあります。結局補修費用が掛かりますので、良いドレンホースを選んでください。
プラブロックの違い
次は室外機の置き台に使用するプラブロックです。昔はコンクリートのブロックを使用していましたが、
軽く持ち運びに便利なので最近はプラブロックを使用する業者がほとんどです。写真の右側は安いプラブロックです。
内部が空洞になっている為室外機の置き方によって共鳴して室外機の音が大きくなる事があります。
写真の左側のプラブロックは本体とボルトでしっかり固定でき、上下共に滑り止めのゴムが付いています。
また、内部の張りで振動を吸収します。
電線の違い
室内機と室外機をつなぐ電線にも種類があります。エアコンに使用する電線は、
銅線の太さが2mmのタイプと1.6mmのタイプがあります。電線の外側にはサイズが明記してあります。
一部の機種を除いてほとんどは2mmタイプの電線が指定されています。
これは細い1.6mmタイプの電線を使用すると、電線の接続部で接触不良を起こす可能性があるので
、2mmタイプが指定されているそうです。
テープの違い
電線や、パイプ、ドレンホースをまとめたら、テープを巻きつけます。
このテープは2種類あります。セロテープのように粘着性のあるテープと粘着性の無いテープです。
右の写真は粘着性のあるテープですが、見た目はどちらも同じです。非粘着テープの方がキレイに巻く事が出来ます
。防水性などは粘着テープの方が優れていますが、耐喉性はどちらも大差はありません。
上の様に配管カバーを使えばキレイに見え、耐久性に優れているので、是非配管カバーをお勧めします。
しかし、配管カバーでも上の様に蛇腹式の配管カバーはテープよりはるかに強いのですが、
日の当たる所に配管する場合などで7年以上経過すると劣化してひび割れてきます。
どうしても、蛇腹式の配管カバーを使わざるをえない場合以外はできるだけ使わないようにしましょう。
工事方法(パイプの引き回し)
エアコンの取付け方法もいろいろあります。右の写真は余ったパイプを室外機の後で丸めて取り付けている事例です。
例えば4mなら両側をフレア加工済みのパイプを使い余ったパイプを
後ろで巻いてやれば短時間で工事を済ます事が出来ます。
しかし、エアコンの手入れ方法で説明したように、室外機の後にパイプがとぐろを巻くとゴミなどが溜まり、
放熱を阻害します。また、パイプの長さが1m長くなると、約1%電気代が上昇するので、
パイプは出来るだけ短いほうが良いのです。
エアコンを取付ける場合はキチンとカットして加工してくれる業者を選びましょう。
工事方法(真空引き)
エアコンを取付ける場合はエアコンの室外機と室内機を配管パイプで接続します。 しかし、取り付けた段階では、室内機内部や配管パイプ内部には空気が入っています。 この、空気を抜いて内部をフロンガスで満たす工程をエアパージと呼びます。 この、エアパージはいくつかの方法があります。
1、室外機に充填されているフロンガスを使って、内部の空気を押し出す方式
環境問題が叫ばれる以前はよく使われた方法ですが、最近は各メーカ共この方法を推奨していません。この方式ではどうしても空気や水分などの不純物が残ってしまう可能性があります。
特に代替フロンR410Aを使用したエアコンの場合、不純物に対してシビアな為、
故障や性能低下の原因になる事があります。また、余分なフロンガスは充填されていないので、減少したフロンガスの分だけガス不足になるとも言われています。
残念ながら現在の所この方式で工事をしている業者は非常に多いのが現状です。
2、小さな炭酸ガスボンベを使用する方式
炭酸ボンベで配管内の空気を押し出し、残った炭酸ガスを吸着するボンベで回収し真空にする方式です。
炭酸ガスボンベが使い捨てでコストが高いのでほとんど使われていない方式です。
3、手動式真空ポンプ方式
左上の手動ポンプを使って配管内部の空気を抜き、その後バルブを開けてフロンガスで内部を満たす方式で、
今後は主力の方式になると思われます。家庭用のエアコンならこちらの方式でも充分で、真空にする作業の能力は問題ありません。
次の電動真空ポンプの0.5〜3TORRと比較すると30TORRと真空到達度が低くなります。
真空到達度が低いと、配管内部に水分が混入していた場合に水分を蒸発させて乾燥させる能力がありません(外気温により異なります)。雨などで配管に水分が混入した可能性のある場合は次の電動真空ポンプをお勧めします。
4、電動式真空ポンプ方式
右上の電動真空ポンプを使って配管内部の空気を抜き、その後バルブを開けてフロンガスで内部を満たす方式です。
各メーカーが推奨し環境にもやさしい方式です。
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